日本の借金1000兆円→財政破綻→増税のウソ



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さて本題です。

ハイパーインフレ論者は経済学史を勉強していない可能性大

山崎元教授と2011年か2010年にTV番組で共演

もう7年前になりますが、私は山崎元先生、通称ヤマゲン先生と共に、フジテレビの若者討論番組に出たことがあります。それは、ヤマゲン先生がゲストで、私たちが若者として、そして当時私は経済学部生でしたので、経済に詳しい者の若者代表のようなポジションとして番組に出ました。詳しい題名は忘れましたが、テーマは「日本の借金」についてです。Z(財務省)が好きな毎度のアレですね。当時、失礼ながら山崎先生のことを存じておらず、ケインズを勉強中のリフレ信奉学生にとっては「どーせまた、Z系の論客がきたのだろう、めっためたにブチのめしてやる」と血気盛んに、意気揚々と撮影に挑もうとしておりました。若いですね。

財務省はしきりに増税したがる、合成の誤謬(ごびゅう)について

まずはこちらのHPをご覧ください。税制について考えてみよう日本の財政を家計に例えたらby財務省

このように、よく財務省は国の会計と企業や家計の会計とを混合させます。非常に非論理的な比喩で、印象操作的な手法ですが、同じようなグラフをマスコミも使いますし、財政赤字を「国民の借金」という形に結び付けて将来世代にその負担がのしかかるから、今増税しよう、将来も増税するかもしれない、という論調を展開します。

「合成の誤謬」とは、一人ひとりが現状の問題(ミクロな問題)を捉えて、解決に向かおうと奔走すればするほど全体で(マクロな問題)おかしな方向へいってしまうことを喩えてそのように言います。

例えば、家計における貯蓄がこれに当たります。ある人の所得が一定であった場合、消費を削減すると、必ず貯蓄額が増加します。これはミクロの視点において、一家計の支出削減は経済全体に影響せず、その家計の収入を減少させる効果はないと考えられています。そのため収入において支出を削減すれば貯蓄額が増加します。(ここまでがミクロな視点です。)

しかし、マクロの視点まで考えると状況が変わります。ある経済に属するすべての家計が貯蓄を増加させようと消費を削減したとしましょう。そうすると貯蓄率は上昇しますが、貯蓄額は変わりません。それはなぜでしょう。

まず、あるの経済主体の支出(企業における支出と考えてください)は、その相手方(客体)にとっては「所得」となります。したがって、家計全体(今回で言えば経済主体)が消費を削減した場合、その消費の相手方は全体としては同一の「家計全体」となるため、その所得自体が減少します。収入が減少するため、同一額の積立を継続しようとすれば貯蓄額が所得に占める割合は高まるので、貯蓄率は上昇します。これにより、家計の支出削減の努力は自らの収入減少に帰結します。これは、マクロ経済において家計の貯蓄額を決定するのは企業・政府の投資と経常収支の合計だからです。貯蓄率が伸び、貯蓄額が変わらずそのスパイラルを巻き起こす、これをデフレスパイラルと呼びます。経済を血液に例えることは多いですが、いわゆるドロドロの血液状態です。これでは健康になりません。(景気は良くなりません)

上記のように、ミクロの視点とマクロの視点を混同してはならず、最も混合してならないのが、財務省と日銀なわけですが、残念ながら1990年代~2000年代まではずっとこのような考え方が財務省・日銀を「支配」しており、合成の誤謬により日本の経済は停滞の一途をたどったわけです。

国の借金1000兆円、国民一人当たりにすると800万円、皆さん返済してね問題

そして、財務省は1000兆円に膨らんだ借金によって財政破綻をきたすことを防ぐため、増税すべきなのだ、としきりに訴えます。我々はそれを信じ、増税を受け入れなければいけないのでしょうか。そんなことはありません。

そもそも「誰の」借金か

そもそも、借金というのは、誰かからお金を借りることです。国民一人一人が800万円を借りているのだとしたらその証書を出してください。それは国債の債券でもかまいません。我々国民は、いつどこで誰に800万円貸したのでしょうか。

日本国はいろいろと「貸してる」貸しまくり国家であること

独立行政法人や特殊法人をご存知でしょうか。民主党時代にばっさばっさと切った「フリ」をしていた、あれです。国は、それらの行政法人や特殊法人に多額の資金を貸しています。おおよそこれらだけでも数百兆円に見られると言われています。独立行政法人や特殊法人を民営化するか、廃止してしまえば、それらの借金は自動的に現金として返ってくることになります。そんなことは国はしませんが。

基礎的財政収支を見てみよう

国の財務書類として、財務省は毎年出している。ここに貼り付けておくので是非見てほしい。

国の財務書類財務省HPより

ここに書いてあることを並べると

現預金 約52兆円

有価証券 約124兆円

貸付金 約116兆円

出資金 約71兆円

有形固定資産 約180兆円

運用寄託金(年金)約106兆円

その他18兆円ほど

他にもありますが、基本的な国の資産はこの程度になります。合計で672兆円にのぼります。ちなみに、この貸付金や出資金が独立行政法人や特殊法人となり、官僚の天下り先となっています。(私は天下りについてはそこまでとやかく言うつもりはありません。よく勉強して官僚になったのだから金くらい儲ければ、と思うので。)

一方負債としては

公債(国債) 約917兆円

政府短期証券 約86兆円

借入金 約29兆円

この3つがいわゆる「国の借金」で1000兆円程度になります。公的年金預り金(つまり年金の運用寄託金の見合い負債)が115兆円となる。他は参照のこと。

先進国の中でも特に資産の多い日本

他先進国と比べても、これほど資産を持っている国は日本くらいです。世界一の政府資産額を誇ります。

日銀の役割を入れていない財務省

政府と日銀は額面でもズブズブの関係なのにもかかわらず、日銀は大量に国債を購入しているにもかかわらず、その資産については上記のプライマリーバランスにはもちろん含まれていません。日銀を合わせればさらに資産は大きくなります。

「収支」でみると実質の借金は100~200兆程度

まずもって1000兆円の借金というのは「誤り」であることはおわかりいただけたでしょうか。おおよそ資産分を差し引けば300兆円程度の借金になります。しかもこちらも国が借金しているわけで、我々国民が税金で補填する必要はございません。

Dにアンケート内容を喋ることを止められる

話を番組の件に戻しますが、番組の趣旨としては、

「日本の財政赤字がとんでもなく膨らんでいる。国の借金は1000兆円にまで膨らんでいる。このままではデフォルトの危機であり、国が破たんする。」という危機を煽るものでした。

私は事前アンケートで

「国に借金はあるが、たいした額ではない。1000兆円はうそ。それは財政とは関係がないし、増税しなくても経済成長をすれば税収は増える。むしろ増税などしたら経済が冷え込み、さらに国にとっては良くない状況になる。」

と書きました。二十歳そこそこの学生にしては我ながらなかなかの意見です。謎の集団シールズの奥田君だったか、彼らにもこれくらいの認識ができればよかったのですが。

閑話休題

するとディレクターから本番前の打ち合わせで

「しげるさんの内容、あれ、言わないでもらえますか。今日の題と異なりますので。」

と言われました。あぁこれか、これが、、、これか、、、あぁ。と、とてもショックだったのを覚えています。しかも生放送ではないので、言ったところで全カット、ダメです。

そして、台本に「我々若者が危機感をもって経済をなんとかしようと一人ひとりが考えていかねばならない」といったような内容が書かれ「終わった」と思いました。そう山崎先生が御用学者だと思ったからです。

本番での大逆転~山崎元先生は非常にマトモな方でした。ごめんなさい。~

本番の撮影が開始、国の借金の大仰なVTRがはじまり、まるで恐怖のどん底、日本終了のお知らせが流れたのです。私は辟易として、あぁ仕方ない、この場から逃げ出したい、恥ずかしい。という思いでそのVTRを見ていました。

しばらく経ち、他の経済トンチンカンな大学生やフリーターに話が回り

「増税しなきゃ」

「年金ももらえないって聞くし、どうすればいいの」

ほんとうに君たちはなんなんだ、本くらい読めばかちん、と思いますが涙目で聞いていました。

山崎先生も、はじめは堅い表情で静かに説明するに終始していましたが、後半になってその時がきました。

「というのが一般的に言われていることなんですけれどね、まぁ本当はそんなことはないのではないかとも言われているのです。」

といったことを山崎先生がいいはじめ、プライマリーバランスの話をしてくださいました。

その話のあとで、すかさず私が援護射撃的に割り込み、本来話したい内容を話しました。

私は嬉しく、撮影後、山崎先生に「テレビで先生のような論調、はじめてみました。勇気をいただきました、ありがとうございました」と言うと「君は大学生?どこのですか?」と聞かれ「~~大の・・・~~教授の・・・」というと

「あぁ~そうだったのか、今日は面白かったよ、ありがとう」

と言ってくださいました。

ほんと、その時に株式投資をしていれば、、、山崎先生は今では本もたくさん読んでいます。お会いする機会がまたあれば、そのときに感謝の言葉を述べたいと思います。

株式投資をしている諸君、日本の金融政策、財政政策を見誤るな

最後に書籍をいくつか紹介します。経済の入門的な話、日銀の話、山崎先生の本です。

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