仮想通貨についてのバフェット批判をポジショントークで一蹴する



仮想通貨、ブロックチェーン信奉者VS株式信奉者の論争

ニューズウィーク日本版に以下のような記事が載った。Newsweek日本版

暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせた理由

Why Warren Buffett’s Bleak Prediction Of Bitcoin And Cryptocurrencies Is Wrong

これを投稿したのはシンガポールのブロックチェーン・スタートアップBluzelleの会長であり、共同創業者のパベル・ベインズ(Pavel Bains)氏です。

ちなみに元ネタはこちら

バフェット氏:仮想通貨、悪い結末を迎えるのは確実(日本語版)

Buffett Says Stock Ownership Became More Attractive With Tax Cut(英語版)

by Noah Buhayar、Katherine Chiglinsky

バフェット氏による仮想通貨批判

こちらの記事では「バフェットは古い」と批判を浴びせているがそんなことはないです。バフェットは確かに新たなテクノロジーについて、常に懐疑的ではありますが、その懐疑的であることが彼がここまで投資で成功してきた所以であると私は考えています。彼の投資極意はさまざまあり、そこには明確な答えがなく、分析者が多く私などの端くれには到底理解しえない高みにいますが、はっきりしていることが何点かあります。

・バイ&ホールドの徹底

・「安定成長企業」への投資、その目利き

・早く、勇敢な決断力

これら3点はどうでしょう、バフェット研究者に叱られないのではないでしょうか。私には上記3点はバフェットの投資哲学において非常に重要な位置を占めているのではないかと勝手に推測しています。

特に最近のバフェットはIBMとウォルマートから事実上の撤退を図っており、代わりにアップルを買っています。アマゾンのことを最近ではベタ褒めで、ジェフ・ベソスという人間を推し量れなかったことについて素直に認め、反省しています。原典「バフェット氏:投資に失敗はつきものーIBMの誤算を振り返る」

これらを踏まえて、バフェットが仮想通貨やそれにかかわるブロックチェーンについての理解をしていないわけがありません。

事実「全ての仮想通貨について5年物のプットを買うことができるなら、私は喜んでそうする」と言っており、これは仮想通貨投資している誰もが「そりゃそーやわ」と言えると思います。しかし、現状の仮想通貨相場を見ていると、あまりに乱高下が激しく、短期に中長期の投資にも向かない、本当のギャンブルと化してしまい、Satoshi Nakamoto氏が構想していた世界の大きな変容よりも、むしろ一時一時の価格の上下に注目がいってしまっています。

Satoshi Nakamoto ビットコイン:P2P 電子マネーシステム

日本においても、多くのSatoshi Nakamoto氏の論文すら読んでいないズブの素人が多く参入していると思われ、その市場で成功を収めた者を「億り人」などとメディアも持て囃しています。

ブロックチェーン側がバフェットを批判するのは当然

今回のBluzelleの会長Pavel Bains氏がバフェットに対して批判的であることは当然です。なぜなら、このままバフェットの批判に流れがのっては「たまったもんじゃない」からです。Bluzelle社はインド系移民のカナダ人によって設立された、シンガポールに本拠をおく、ブロックチェーンスタートアップです。20年前の人に一文前の言葉を言っても「は?」と言われそうです。逆に言えば今最もトレンドな言葉がズラリと並んでいます。

「『インド系移民』の『カナダ人』が『シンガポール』で『ブロックチェーン』の『スタートアップ』を設立しました。」

2017年の9月には150万米ドルの資金調達に成功しています。Bainz氏は、デジタルブックプラットフォームである Storypandaや独立系ゲームデベロッパーのTreewave Software のGMも務めています。つまりやり手中のやり手、次のベソス、ジャック・マー、孫正義、ジョブスになろうとしている人物です。

彼にとっては、仮想通貨の現状は歓迎すべきだし、ブロックチェーンにおける仮想通貨の広がりを信じてやまない一人です。言ってみれば「盲信者」ともとれます。彼にとってバフェットはまさに目の上のたん瘤であり、邪魔でしかありません。老害よ、さっさと去れ。とでも本当は言いたいはずです。それだけバフェットは現時点においても影響力が絶大なのです。

世界的な規制→暴落→その後徐々に緩和→仮想通貨が当たり前の世界

現状、世界的な規制の流れが強まっています。今日もビットコインは下落の見通しです(なんと最高値230万だったのが半値の100万割れ、1月18日当時)。中国や韓国は規制の流れが強く、G20でも議題に上る可能性が高いです。なにより金融界にずぶっずぶの現状が世界先進国です。金融界を揺るがすような今回のブロックチェーンは「革命」のようなものであり、旧体制派は現状攻撃されていないから黙認しているものの、徐々に本格規制の流れになっていくと思います。(この1~2年)

それと同様にとてつもない暴落、各仮想通貨が軒並み暴落し、億り人は涙目になるでしょう。平成バブル同様、人の命も残念ながら吹っ飛ぶと思います。命賭けてる人いますからね、無自覚に。暴落はどこかで必ずきます。そして、回復します。それは、このブロックチェーン構想自体、仮想通貨自体は大変魅力的で素晴らしく、実際の貨幣がすでに存在意義が薄れているからです。

恐らく10年以内には仮想通貨で、財布もなくなり、全てインターネットによる決済が瞬間でできるようなプラットフォームができると思います。一時の市場操作を国や業界は混乱させることはできますが、この世界的な流れは残念ながら国も金融業界も止められません。そもそもが、ブロックチェーン構想自体が国や業界に囚われない世界の構築を目指すものであり、まさに近未来を担う大発明だと私は、それについては信じています。しかし、それと現状の相場の乱高下はフェーズが全く異なります。

中長期的にはブロックチェーン支持、短期的にバフェット支持

仮想通貨の世界は必ず来ます。そこに関しては、「悪い『結末』を」迎えるというバフェット氏の指摘については、誤りだと思います。しかし、中長期的にみるとブロックチェーンの世界がくるので彼らを支持します。

ブロックチェーン派の株式投資批判についてはナンセンス

「長期保有で実際に大儲けできたのは、ほんの一握りの成功者たちだけだ。人類の進歩にはイノベーションが必要だ。バフェットの戦略はイノベーションに逆行している。」

「バフェットがコカ・コーラ社の株を買い集めて持ち続けるより、世界の数千人が1人当たり500~2000ドルを仮想通貨や関連技術に投資する方が、世の中はよほど良くなるだろう。」

これらの批判については、Pavel Bains 氏は明らかに間違っていると言わざるを得ません。しかし、これについても現代経済学、そして、長期保有によって儲けることができるとマルキール氏やシーゲル氏(奇しくも全員「老人」であるが)信じてやまない私によるポジショントークなのかもしれませんね。

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