パウエル新議長(FRB)の議会発言と、黒田総裁(日銀)の出口発言



下落相場がつづいています。

パウエル新議長の議会証言

黒田総裁の出口戦略についての発言

これらによって下落していると思われます。また円高も続いています。少し深堀していきたいと思います。

「利上げが最善策」とパウエル新議長が発言

下院に続き、上院でもパウエル新議長は、米国の景気は過熱している兆しは見られないとして、失業率とインフレの均衡を保つために漸進的な利上げに踏み切る考えを明らかにしました。

「現在の株価を過熱気味であるという証拠は全くない」、とまで決定的に発言したことはFRBの今後の見通しをする上でも大きいと思います。また、賃金についても、労働市場の安定が賃金に与える影響は小さい、としています。

焦点となっている、というか混乱が起きうるシナリオとしては、利上げのタイミングが加速することです。

パウエル氏は今後の利上げ見通しについて「12月以降、経済の見通しは加速した」と発言、これによりマーケットは利上げが早まるのではないかという見方が強まり、米株安、それに伴う日経平均の下げ相場となっています。

しかし、パウエル議長は現時点では前議長のイエレン氏の継続路線を明確にしており、今回の発言で利上げを決めたとするのはあまりに性急ではないかと思います。一般的にはタカ派といわれるパウエル氏ですが、グリーンスパン以前のようなリーダーシップの強い議長というよりは、バーナンキ氏、イエレン氏に続く「調整派」の議長と思いますので、これまでの路線の変更には長い時間がかかると思われます。

一方、日銀黒田総裁による「出口戦略」発言

リフレ派から言わせれば

「今は出口をなくすことが重要、出口を持ち出すな、とにかくさらにジャブジャブに、おい!財政もっと緩めろ!」

といったところなのですが、黒田総裁はそこまでの急進思想は持ち合わせておらず

・2%の物価目標はなんとか達成したい

・2019年をめどに出口戦略を固めたい

そうです。

出口戦略は出口が見えてきたらする、でも2019年には物価目標を達成する(つまり出口)

ということで、「出口」「出口」連発で、もはや出口のことしか頭にないような、そんな発言でした。

これはよくないです。正直、総裁の発言として、期待を市場に与えるべき、そして円高が予想される今年の発言としてはダメダメです。

「総仕上げに全力を注ぐ」というのも出口ありきの発言にしか思えません。

正直、良いインパクトをすでに黒田総裁は作れていません。物価目標未達成のげんいんについても「原油価格の下落や消費増税による消費落ち込み、金融市場の不安定な動き」と列挙しました。

ここは「消費増税」と「財政の引き締め」と政府と財務省を大きく批判すべきところでしょう。

「俺らは頑張ってるんだからよ!消費増税とか足引っ張るなや!財政もジャブジャブにせいや!こっちの効果だけじゃ片輪なんじゃ!政府も頑張れ!」

といったような向きの発言がされれば市場も活気づいたのでしょうが、それは残念ながら黒田総裁に求めてはならぬことでした。

若田部副議長、原田委員、片岡委員、なんとかこの暗雲立ち込める状況を打破して市場に活気をつけていただきたいと思います。

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