【積立NISA】EXE-i つみたてグローバル株式ファンドについて分析 全世界株編①



前回はつみたてNISAにおすすめの先進国株式、特にMSCIコクサイインデックスを基準にしたインデックスファンドについて書きました。

リンク→つみたてNISAにおすすめの先進国株式インデックスファンド

今回は別指標となり、結果的に全世界株式への投資となる4つのインデックスファンドについて比較検討してみたいと思います。

第1回の今回はEXE-iつみたてグローバル(中小含む)株式ファンドについて分析していこうと思います。

最後に、まとめとしてどの全世界株インデックスファンドがよいかについても言及したいと思います。

それではいってみましょう

EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 

SBIからの刺客です。見た目信託報酬の圧倒的安さから人気です。こちらはファンドオブETFsになります、ただただETFを買い続けるファンドです。しかも、楽天VTIや楽天VTとは異なり、3つのETFを混合して買っています。

  • シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF(SCHB) 50%
  • SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国) ETF 40%
  • SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF 10%

それぞれのETFになじみがありません。みていきましょう。

シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF(SCHB)

シュワブ U.S. ブロード マーケット ETFは、アメリカ株式の大型・小型を含む「ダウ・ジョーンズ米国ブロード・ストック・マーケット指数」への連動を目指しているETFです。経費率は0.03%で5年リターン15%、配当利回り1.85%です。アップル・マイクロソフト・アマゾン・フェイスブック・バークシャー・J&JなどVTIとさほど変わりません。組み入れ銘柄数は1980にのぼります。

SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国)

以前、VGKというヨーロッパETFについて述べました。こちらに似たETFでヨーロッパと(60%)、北米を除く先進国(日本や韓国やオセアニアで40%)で構成されたVEAというETFがあります。私は先進国のみ(日本除く)でヨーロッパ以外の株式を割合としてありますし、ヨーロッパ株はVGKで補完していて、日本は別で購入しているのでVEAに興味はありません。このVEAとほぼ同じような動きをするETFだそうです。ETFとしてまだ若く、VEAと比べられるほど期間がありませんでしたがほぼほぼ同じような動きはしています。SBIとしては、言ってみればSCHBがアメリカ株100%なので、アメリカ以外の先進国を組み入れるためにこちらのETFの購入を決めたのでしょう。「S&P先進国(除米国)BMI指数」という指数への連動を目指しています。ネスレやノバルティスなどのヨーロッパ企業に加えて、サムスンやトヨタ自動車も含まれます。組み入れ銘柄数は1577です。

SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF(SPEM)

こちらもあまりなじみがないですが、「S&P エマージング BMI 指数」への連動を目指すETFだそうです。経費率は0.11%です。テンセントやアリババ、ナスパーズなど中国の新興国インデックスでよく聞く名前が並びます。中国の割合は33%、次いで台湾の13%、インド(11%)、ブラジル(8%)、南アフリカ(7%)、ロシア(4%)と並びます。5年間で、VWOとMSCIエマージングマーケットインデックスと並べてみましたが、かなりこちらのSPEMが勝っておりました。まぁそもそも目指す指標が違うので比べるのは酷なのかもしれません。組み入れ銘柄数は1247です。

信託報酬(実質コスト)

年0.15%程度と書かれていますが、トータルコスト、実質コストについてはどうでしょう。

運用コストや三重課税、ETF経費率(0.042%)などを考えると、軽く見積もっても0.3%は超えてくるだろうと予想できます。とりあえず報告書を見てみないとわかりませんので注視していきたいと思います。

指標:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

この指標で、もっとも有名なのはVTです。このあと楽天全世界株を分析しますので、そのときに、この指標については扱っていきます。

組み入れ銘柄数

同じ指数への連動を目指す楽天VTのもととなるVTは7800銘柄を網羅しています。一方EXE-iつみたてグローバルは7500程度になります。

リターン

現状、設定以来(12月6日~1月16日)ですと+4.1%というリターンです。この期間をVTでみてみると、+9.4%となります。まだ設定以来時間が経っていないので仕方がないですが、いいリターンであるとは決して言えないでしょう。これに実質コストが上乗せされたらたまったものではありません。

まとめ:指数に連動することが難しくベンチマークとの乖離が激しい

さきほど説明した通り、3つの別々のETFを購入することにより、無理やり別の指標に連動しようとしているところに「無理」が生じていると思います。

「肉じゃがと、カレーのルウと、ヨーグルトをやるから、あとはカレーの味に近づけろ」

と言われているようで、カレー「らしき」料理はできてそれは美味しいかもしれませんが、もともと作ろうとしているかレーとは程遠いものになってしまうに違いありません。おそらくベンチマークとの乖離が激しいかと思われます。

とはいえ、世界分散投資を可能にし、これだけの信託報酬の低さを実現するのは素晴らしいことです。

SBI証券は社長がああですが、内容、サービスともに良いので、きっと部下が素晴らしいのだと思います。

次回は同じくFTSEグローバルオールキャップインデックスに連動する楽天VTを見ていきます。

EXE-i つみたてグローバル株式ファンドはSBI証券のみで取り扱い

exe-iシリーズはどれもSBI証券のみでの取り扱いとなります。これは資金流入が心配ですが、今のところこちらのファンドは人気ですので、資金流入が滞ることは考えられづらいです。

SBI証券

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