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黒田総裁、「一応」最後の政策決定会合はまたも「現状維持」
本日、日銀金融政策決定会合が開催されました。現総裁の黒田総裁の体制としては最後の政策決定会合となります。
もちろん、黒田総裁は次期総裁としても指名されているのですが、現体制では最後の政策決定会合となります。速報が入ってきたのでまとめます。そして、今回をもって、中曽副総裁、そして岩田副総裁がその仕事に終止符を打ちます。お疲れさまでした。
現状維持、片岡委員の毅然とした態度が目立つ
今回の日銀金融政策決定会合では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金融緩和策の維持を賛成多数で決めました。(賛成8:反対1)
もちろん、反対票を投じたのはこれまでとおり、片岡委員です。
片岡委員は
「2018年度中に物価目標を達成することが望ましく、10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう長期国債の買い入れを行うことが適当」として現状維持に反対しました。
まぁ言ってみれば「生ぬるい」ということを一貫して述べています。私も全く同感です。
物価が「2%に向けて上昇率を高めていく」という発表文の記述についても、片岡委員は「可能性は現時点では低い」として反対しました。
物価目標の達成時期が後ずれする場合は追加緩和を講じることが適当とも主張したそうです。
岩田副総裁については正直少し残念といった印象を持たざるをえない
黒田日銀になり、日本の経済は成長路線になり、雇用も安定し、経済も安定的ではあります。もちろん及第点はあると思いますし、よくやっていると思います。よっぽど増税しようとしている財務省や財政を緊縮させようとしている現政府のほうが情けないです。
しかしです。期待を創出することがなによりも大切である、任期中になんとかすると豪語されていたのが他でもなく岩田副総裁でした。私は著書を何冊も読ませていただいておりますし、就任した時の意気込みは並々ならぬものだったと思います。また、現状は原田委員、片岡委員と言ってみればリフレ派の仲間もいて、そこまで敵が強いような状況でもありません。
片岡委員が言うように、このままでは生ぬるいのは目に見えています。出口など探る時期ではないのは明白です。
しかし、なぜ岩田副総裁は口を閉ざしてしまったのでしょうか。日銀のマネジメント力、ガバナンス力は、リフレ派のうるさがたを抑えるほどにその力を誇示しているのでしょうか。(であれば、片岡委員も口を噤むはず。)
第一次黒田総裁日銀体制の評価
黒田総裁、岩田副総裁ともに、就任してから数カ月、バズーカまでの流れはほんとうにすさまじく、本当に日本の経済が変わるぞという勢いとそれこそ「期待」が生まれておりました。
しかし、増税を機に徐々に発言力はなくなっていき、現状維持現状維持現状維持現状維持・・・・・出口出口と最近は安定化を図るための方策しか打ち出せていないのが印象です。正直マーケットもあまり歓迎しないでしょう。円高も今回で止まればよかったのですが、おそらく午後の発言でまたぞろ「出口」「出口」と言いまくり、週明けにはどすんと円高でしょうね。
ヨーロッパやアメリカが出口を探すのは、リーマンショック後、ずーーーーと金融緩和政策をし続けてきたからで、日本はまるでその状況が違います。アメリカとヨーロッパと足並みをそろえる必要はないのです。
第2次黒田総裁日銀体制に求めること
正直黒田総裁にはお体だけ気を付けて頂いて、他に期待することはできません。あるとすれば「耳を傾けてください」程度でしょうか。
なにより期待しなければならないのは引き続き、片岡委員の発言です。今回も対案は出ませんでしたが、これに若田部新副総裁は乗ってくるはずです。そう信じています。
若田部副総裁は日銀のガバナンスとやらに「は?なんでしょう?言っておられる意味がわからないのですが」と流してくださりそうです。
そして、片岡委員、また原田委員(原田氏と若田部氏は早稲田でもお仲間でした。)とともに量的金融緩和にもっとこだわっていただきたいです。可能であれば日銀側から「おい政府!情けない!財政出動もっとやれ!」と喝を入れていただきたい、それほどの発言、発信をしてマーケットに期待感を取り戻していただきたいです。そうすれば物価2%も可能だと思います。
しかし、リフレ派が起こしたアベノミクスに端を発する一連の流れは歴史に刻まれる大きな仕事であり、岩田副総裁の仕事ぶりはその大きな支柱になったことは間違いありません。お疲れさまでした。休養されたのち、講演や日銀内部の暴露本などありましたら読ませていただきます。
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