今回は「EXE-iつみたて先進国株式」について分析していきたいと思います。
Contents
EXE-iつみたて先進国株式
EXE-iつみたてシリーズ ファンドオブETFs
EXE-i(エグゼアイ)はSBIアセットマネジメントが出している商品群の名称で
これまで、
- EXE-iつみたて 新興国株式ファンド
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
を出し、それぞれ、楽天VWOと楽天VTに対抗した商品でした。
ちなみに・・・
EXE-iつみたて 新興国株式ファンドとは
指標:FTSE・エマージング・インデックスがベンチマーク
信託報酬:0.19%
シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETFを買い付けるだけ
EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドとは
指標:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(しかし3つのETFの集合なので実質は難しい)
信託報酬:年0.15%
買い付けるETF
- シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF(割合50%、信託報酬0.03%)
- SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国) ETF(割合40%、信託報酬0.04%)
- SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF(割合10%、信託報酬0.11%)
では本題に戻ります。
EXE-iつみたて先進国株式について
買い付けるETF
- シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF 55%
- SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF 45%
これらの割合でETFを買い付けていきます。
シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF(SCHB)
チャールズシュワブ版のVTI、つまり、大小全てを含んだアメリカ市場全体への投資ということになります。
指標の動き方をみてもVTIと全く同じですので、詳細についてはVTIの記事をご参照ください。
SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF(SPDW)
SPYも手掛けるスパイダーのETFです。先進国で米国を除く指標は日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、バンガードシリーズではVEAというETFがあります。これに近いETFです。ちなみにVEAはFTSE先進国(除く米国)インデックスに連動します。
今回のSPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETFは
S&P先進国(除米国)BMI指数
というこちらもあまり馴染みのない指数に連動しています。単純に、似ている指標のVEAと比べてみます。ほぼほぼ同じですが赤のSPDWのほうがわずかに上回っているような気がします。

構成企業群(VEAとも比較)
SPDWの上位10位組み入れ企業群
企業名 | 組み入れ割合 |
サムスン電子 | 1.16% |
ネスレ | 1.14% |
HSBCホールディングス | 0.98% |
ノバルティス | 0.96% |
トヨタ自動車 | 0.85% |
ロシュ・ホールディングス |
0.78% |
トタル | 0.77% |
ロイヤルダッチ・シェルA | 0.75% |
BP | 0.69% |
ロイヤルダッチ・シェルB | 0.63% |
VEA上位10位組み入れ企業群
企業名 | 組み入れ割合 |
ネスレ | 1.23% |
サムスン電子 | 0.98% |
HSBCホールディングス | 0.94% |
ノバルティス | 0.88% |
トヨタ自動車 | 0.84% |
ロシュ・ホールディングス | 0.79% |
ロイヤルダッチ・シェルA | 0.72% |
BP | 0.65% |
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 0.64% |
トタル | 0.64% |
圧倒的な見た目の信託報酬 年率0.1155%
後だしとは言え、最安値を出してきました。その後、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの信託報酬は年率0.11826%という驚異的な数字に値下げに踏み切りました。
もちろんEXE-iつみたて先進国株式もこれまでの投信からすると異次元レベルで安い信託報酬になっていると思います。
内訳としましては、
シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF(SCHB)のETFとしての信託報酬が0.03%
SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF(SPDW)のETFとしての信託報酬が0.04%となっており、それぞれの割合(SCHB:SPDW=55:45)で計算するとおおよそ0.0345%となります。これがETFを所有するだけでかかる経費です。これに運営会社0.03%、証券会社0.03%、信託銀行0.015%が上乗せされて0.1155%という数字になっております。これ以外にかかるであろう隠れコストについては下記に載せます。
EXE-iつみたて先進国株式は異なるベンチマーク:FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス
通常、先進国株式インデックスの投信商品を買おうとすると、MSCIコクサイインデックスという指標が使われますが、EXE-iつみたて先進国株式はFTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスという指標を用いています。
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスの構成国一覧

FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスの企業一覧

残念ながら、MSCIコクサイインデックスの指標とFTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスの指標とを比較することができません。というのも、この指標、後のデメリットにも乗せますが、ニッチすぎて対象としたETFがないのです。VEAはFTSEですがアメリカ株が抜けているので比較はできません。
EXE-iつみたて先進国株式のデメリット
日本が含まれる
そもそも日本株を購入することに対して懐疑的な個人投資家は多いです。
日本は自分たちのことなのだから、買うなら余力で個別投資すればいいですし、インデックス投資するとしても、ETFなどより低い信託報酬で投資することもできます。同じ籠に玉子を盛るな理論でいえば、はなから日本に投資すべきでもないと思いますし、世界全体に投資するなら楽天VTでいいと思います。
韓国が含まれる
これは意見が分かれるところですが、韓国を国際インデックスの指標で先進国に入れるか、新興国に入れるかということです。MSCIコクサイインデックスは韓国を除いています。ほかでMSCI系の新興国インデックスに投資している人は韓国が被る可能性があります。
隠れコストが不透明【三重課税】
ETFを買い付けるファンドにつきまとう3重課税がEXE-iつみたて先進国株式にもかかってきます。これがおおよそ0.05%程度、ほかにもコストが0.05~0.1%ほどかかると見込まれます。実際は年次レポートを見てみないとわかりませんが、おそらく実質コストで0.22%程度になると思います。
まとめ:EXE-iつみたて先進国株式は「待ってました!」「ドンピシャ」の人向け
今回はEXE-iつみたて先進国株式について分析してきましたが、まとめていても、調べれば調べるほど、いったい誰向きの何なんだという疑問がぬぐい切れません。もちろんチャレンジングですし、SBIさんは頑張ったと思います。しかし、これによってEXE-iつみたて新興国株式を発表したときにもそうですが、結果的には眠れる獅子のeMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズの追随引き下げを誘引したことで大きな役割を担った形になりました。となるとベストバイはeMAXIS Slim先進国株式(年率0.11826%以内)になるのではないかと思ってます。
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では
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