セクター別のETFとしてVDC(生活必需品セクターETF)があります。
P&G、コカ・コーラなど誰でも知っている優良大型株にまとめて投資することが可能なVDCについて分析していこうと思います。
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VDC(生活必需品セクターETF)について
書籍一覧にありますが、私が投資をするうえで参考にさせていただいた方の一人でジェレミー・シーゲル氏という研究者がおります。
彼の著作、「株式投資の未来」によると
セクター別に過去のデータをみてリターンを計算すると、セクターによって大きな差異が出てきたというのです。
1999年にS&Pとモルガンスタンレーの共同でセクター分類制度GICS(世界産業分類基準:Global Industry Classification)が成立しました。
シーゲル教授によると40年ほどの歴史の中で
- 高配当戦略(VYM)
- グローバル戦略(VT)
- セクター戦略(VDC VHTなど)
- バリュー戦略
これらの戦略が株式投資をするうえで優れた実質リターンをもたらしたとしています。
セクター別でみると
・ヘルスケアセクター(14.19%)→VHT
・生活必需品セクター(13.36%)→VDC
・エネルギーセクター(11.32%)
これらが他のセクターと比べた時に高いリターンであった、ということです。ETFにはセクター別の商品もあり、今回はそれらを紹介したいと思います。
【VDC】生活必需品セクターはディフェンシブの「負けないETF」
VDC(米国生活必需品セクターETF)は読んで字のごとく、米国にある生活必需品の会社の集合体です。
信託報酬は0.1%です。いやはや、これから説明しますが、これほどの優良企業群にこの手数料の安さは驚きます。日本ももう少し頑張ってほしいです。バンガード社あっぱれ。
内容としては、生活必需品なので、多岐にわたります。家庭用品から、清涼飲料、タバコ、スーパーなどなど。
バフェットも大好きコカ・コーラも入っています。
そもそも、コーラという社名にもなっている飲み物を作り出し、それは香料と色のついた砂糖水なのに、全世界の人が知っています。
コカ・コーラは、コカ・コーラ、誰でも知ってて、つい飲んでしまいたくなるものなのです。
私は個人的にはペプシコーラ派ですが、それでも、脂っこいものを食べた時、スナック菓子を食べるときについつい手に取ってしまいます。
日本の三ツ矢サイダーだって味は美味しいです。
しかし「コーラ」はコーラなのです。
その圧倒的なブランド力は他の追随を許しません。
ROE(株主資本利益率)も30%を出し続けています。異常です。
そりゃあ砂糖水を120円で売っているわけで、誰もがその値段で文句も言わず買ってるのですから、それが世界中と考えると、途轍もない利益になりますね。
【VDC】不況時に強い生活必需品
例えば、世界が不況になったとしても、生活必需品は「生活」に「必需」なものなので、買うことを辞めることはありません。
ブランド力さえあれば、ケチャップでヘインツが無くなることはないのです。
なので、不況時にも好況時にもあまり、変動の影響を受けないという意味で、ディフェンシブな企業群と言えましょう。
実際他のセクターに比べ、VDCが顕著に下がる比率が低く、数年は他の指標よりも高いパフォーマンスを発揮していました。
しかし、好調、好況の時には伸びもITなどに比べると鈍化します。
安全資産として、長期保有するにはよいETFだと思います。
おじいちゃん向けETF、のようなイメージです。
【VDC】の内訳(上位10位)
日本でもおなじみの企業群が並んでいます。
1位のP&GなんてP&Gの商品なんてほとんどの人が答えられないのにP&Gの商品ばかりが家にあるのではないでしょうか。
ジョイ、ファブリーズ、ジレット、ブラウン、SKⅡ、ヴィダルサスーン、パンテーン、H&S、パンパース、ウィスパー、アリエール、ボールド・・・
もう、「すべてかっ!!」
とツッコミを入れたくなります。
2位はコカ・コーラ、3位はタバコです。
4位はペプシコーラ、トロピカーナやゲータレード(日本では不人気)の会社です。
5位もタバコ、マルボロです。
6位は泣く子も黙るウォルマート、日本では西友で有名です。(撤退しましたっけ、よい選択だと思います)
CVSとwalgreensはアメリカ最大のドラッグストアです。(マツモトキヨシとサンドラッグなどを合わせたイメージ)、
次はコストコ。10位のモンデリーズは日本ではナビスコでおなじみですが、オレオやリッツなどです。(これも撤退しましたっけ)
VDCとS&P500(IVV)との比較
最近は好況なので、景気に影響されやすいS&P500には最近のリターン率では負けていますが、ひとたび株価が下がり気味になるとその強さを発揮します。チャートを参考までに載せておきます。(青VDC、赤S&P)
なにより、大きく負けない
上記で書いたように09年の暴落時に大きく下がっていないのがおわかりいただけますでしょうか。
生活するうえでのすべてを兼ね備えているといっても過言ではないVDC。
そして、人口は増え続けています。
また、世界企業なので、どこの国にもあります。
日本も例にもれず、メイドインジャパンで生活しているわけではなく、これらの世界企業の製品を沢山使っているんですね。
そして、景気が後退した時にこそ、力を発揮し、それ以外の時にも、右肩上がりでじわじわと伸びる。
これほど、バイ&ホールドに長けたETFもないのではないでしょうか。
VDCを買うことができるネット証券一覧
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
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