ひふみ投信(ひふみプラス)や、SBIのジェイリバイブ、みのり投信など巷では人気のアクティブファンドですが、セゾンバンガードグローバルバランスファンドという商品も人気です。
私は常々アクティブファンドを「つみたてNISA」という長期投資ではおすすめしておりませんが、こちらはどうでしょうか。分析していこうと思います。
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セゾン投信(セゾン・バンガード・グローバルバランスF)とは
セゾン投信とは、クレジットカード会社でおなじみのセゾンによる独立系の投資信託会社です。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと、セゾン資産形成の達人ファンドと2つのファンドがあります。今回は前者のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(以下、セゾン・グローバルバランス)について分析していきます。「バンガード」と名前に冠している通り、アメリカの投資会社バンガード社の未上場のミューチュアルファンドを買うファンドオブファンズになります。セゾン・グローバルバランスの商品としての特徴が以下の通りです。
株式と債券が1:1、五分五分に配分されています。債券は先進国に限っています。
株式は世界の時価総額比に合わせて常に変動させて、自動的にリバランスされていくようになっています。
資産配分比率
出典:セゾン投信HPより
時価総額比に合わせているので、右側のパーセンテージを倍にすると、それが時価総額比に該当します。
アメリカ株53.8%、欧州株22.2%、日本、7.8%、太平洋4%、新興国11.4%
上記を実現するため、具体的に買い付けているミューチュアルファンドは以下の通りです。
株式
- 米国株 → バンガード・U.S.500ストック・インデックス・ファンド
- 欧州株 → バンガード・ヨーロピアン・ストック・インデックス・ファンド
- 日本株 → バンガード・ジャパン・ストック・インデックス・ファンド
- 太平洋株 → バンガード・パシフィック・エックスジャパン・ストック・インデックス・ファンド
- 新興国株 → バンガード・エマージング・マーケット・ストック・インデックス・ファンド
債券
- 米国債 → バンガード・U.S.・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- 欧州債 → バンガード・ユーロ・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- 日本債 → バンガード・ジャパン・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
出典:セゾン投信 月次運用レポートより
手数料(信託報酬)
年率で0.68% ± 0.03% (税込)程度とされています。正直、ただ、ファンド、ETFを買い続けるだけのファンドだと考えると、しかも、バンガード社のファンドやETFを買っているのだとすると高すぎると思います。時価総額比に合わせるリバランス料だとしても自動でできてしまう昨今、0.7%ほどの手数料を支払う必要はないのかもしれません。
利回り
過去1か月で+0.03%、6か月で+6.70%、1年間で+11.80%、設定来ですと+47.89%となっております。
純資産額も順調に伸びており、1586億円となっております。
出典:セゾン投信月次レポートより
楽天全世界株、世界経済インデックスファンドと比較
楽天・全世界株式インデックス・ファンドと比較
バンガード社と聞くとつみたてNISAでは楽天・全世界株式インデックス・ファンドがあります。こちらも世界分散投資をしており、バンガードの全世界株、VTをただ買い付けるだけのファンドオブファンドになります。こちらについては別記事で分析しておりますのでご参照ください。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと楽天全世界株との大きな違いは、
楽天全世界株が株式に100%投資しており、セゾン・グローバルバランスは債権と株式が半分半分ということです。
これについては賛否両論ありますが、まとめますと
資本がかなりあり、安全資産も持っておきたい方は債券を含むファンドを保有していてもよいと思います。また、高齢の方も債券が入っていることで安心感を得られるでしょう。
一方、若く、これから長期投資、長期保有を考えている、これから少額でいいから積み立てていきたいと思っている方につきましては、株式を100%保有しておいても良いと思います。
リスク許容度は人によって、状況によっても変わってきますので慎重に考えた方が良いですが、私自身は思い切って株式100%で投資しています。これは、株式はこれまでの歴史上、右肩上がりをつづけており、資本主義に陰りはまだなく、新興国をはじめこれから成長する余白がまだまだあると私自身が信じているからです。
話を戻しますと、債券と半々のセゾングロ―バルバランスファンドにするか、株式100%の楽天全世界株にするかは、人によって違いますとしか言えません。他に違いとしてあるのは信託報酬の違いです。これは明確に違います。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは信託報酬が
年率で0.68% ± 0.03% (税込)程度となっております。
一方楽天全世界株の信託報酬は0.2396%程度となっております。ここには大きな開きがあります。
楽天全世界株は最近ファンドとしてスタートを切りました。昨今は信託報酬を極限まで下げて投資家にアピールをする時代です。10年ほど前は考えられないほどいまよりも投資信託は怪しく、信託報酬もべらぼうに高い商品ばかりだったのです。こちらのセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも2007年に爆誕したわけですが、その当時は周りがバカ高い信託報酬だったので、セゾンという安心感と、全世界投資という合理性、そして0.68%という信託報酬が低いとされていた時期だったのです。
しかし、時代も変わり、今ではもとのETFや買い付けるファンド並、もしくは少し色を付ける程度の0.2~0.3%が一つの安い信託報酬の基準となっており、0.5%を超えてくるとやや高いなという印象を持たざるを得ません。もとのバンガード社のミューチュアルファンドの平均値が0.11%なので、0.5%近く、セゾン投信や販売会社がもらっていることになります。アクティブファンドの性格もほぼなく、これはもらいすぎかなと個人的には思います。決して悪くはないですが。
世界経済インデックスファンドと比較
どちらも株式と債券に半々で投資しています。信託報酬にも大きな違いはありません。(世界経済インデックスファンドの信託報酬は0.58%)
大きな違いは株式の配分比率です。世界経済インデックスファンドは悪名高い新興国債券が含まれています。これは喜ばしいことではありません。といいますのも新興国は国の財政として不安定な国も多く、債券としての存在意義としての安定感が全くないのです。これに投資しているのは愚かとしかいいようがありません。ですので、世界経済インデックスファンドはそもそも比較対象にしたくないくらいです。
限られた販売会社、ゆうちょ(日本郵便)など、しかし利用者は11万人超!
つみたてNISAでセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを買い付けようと思うと限られた販売会社でしか取り扱っていません。
まずは、当たり前ですが自社、つまりセゾン投信で取り扱っています。HPから資料請求することで口座開設をすることができます。
また、セゾン投信はゆうちょ(日本郵便)と提携していることから、ゆうちょ銀行の口座を持っている人は、ゆうちょからネットでのみ申し込みすることができます。店頭では取り扱っていないので注意してください。
また、これはマイナーな情報かもしれませんが、一部の地銀で店頭販売しています。
横浜銀行、ふくおかフィナンシャル・グループ傘下の3行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)、 足利銀行の5行で買うことができます。
また、これはiDeCo限定ですが楽天証券で買うこともできます。(つみたてNISA口座では買えませんのでご注意を)
結論:決して悪いファンドだとは思わないが少し古いか
その投資信託一本で全世界に投資できることはとても素晴らしいことだと考えます。分散投資に直結しますし、自信をもって他の人にもすすめることができます。債券についてもこれは考え方で、むしろ、株式100%のパターンと債券50%のパターンとを選べるようにすればいいと思います。(セゾン投信にセゾン資産形成の達人ファンドというのがありますが、あまりに信託報酬高すぎです。詳しくは別記事にしようと思います。)
全世界株を考えた時に選択肢が少なく、このセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも「悪くはない」ので選択肢に入れてもいいとは思います。しかし、やはり若干、信託報酬が高く、諸手を挙げてすすめることはできません。
個人的にはeMAXISSlimシリーズを組み合わせて全世界株にしてリバランスをしていいくことを面倒くさいですがおすすめします。
では