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低い信託報酬は「おバカ投資家」によってもたらされている
eMAXIS Slimの信託報酬がとても低い水準にあります。(参考までに、eMAXIS Slim先進国株式インデックスでは、信託報酬0.189%)
数年前では考えられなかったことであり、ETFにも負けないほどの信託報酬になっております。
それがつみたてNISAにも商品として組み入れられており、長期保有に最適であると考えております。
しかし、考えてみれば、なぜ三菱UFJや野村のような大きな企業、そして、申し訳ないけれども「儲け主義」の彼らがこのような商品を出しているのか、疑問でもあります。今回は安い信託報酬の裏に潜む謎について迫っていこうと思います。
信託報酬の値下げ応酬
eMAXIS Slimの信託報酬はあらゆる分野でかなり低い水準でたもたれており、その存在意義としても
「他社が値下げに踏み切ったらウチもそれより安くやってやりますよ!」
という強い意気込みで、実際成立しています。投資家はこうした思いに素直に反応しております。
これからもイーマクシススリムシリーズは低信託報酬で人気を博すと思われます。
ちなみに現時点のイーマクシススリムシリーズは以下の通りです。
- eMAXIS Slim先進国インデックス 0.189%
- eMAXIS Slim国内株式インデックス 0.159%
- eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.19%
- eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)0.21%
数少ない取り扱い販売店、これが意味するところは・・・
取り扱う販売店がものすごく少ないです。
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- カブドットコム証券
- GMOクリック証券
- ジャパンネット銀行
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
私は、つみたてNISAをするのならば上記のようなネット証券をおすすめしております。
これは圧倒的に安い手数料や見やすさなどからです。
しかし、一般的には証券会社と言えば、
大和証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券
などの店舗型証券会社のことを「証券会社」だと思っている人が圧倒的な多数派なんだと思います。
仮想通貨のことを「実体のない通貨など手を出せるか、ケシカラン」と言っていそうな高齢の方が日本の中では圧倒的多数はであり、
ネット銀行
や
ネット証券
は一般的な常識の方々にとってはまだまだ「怖いもの」「よくわからないもの」なんだと思います。
だからこそ、若者向けにそういったネット銀行、ネット証券をおすすめしたいのですが、若者はお金がなく、ないお金を増やそうとせずただびくびくして臆病になってしまっているので投資に目を向けません。
大手証券会社でのべらぼうな手数料
上記に挙げた
大和証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券
この辺りの証券会社は悪徳とまでは言いませんが、そう言いたくなるほどの高い手数料で商品を売買していますし、勧めてくる商品もゴミ商品ばかり、そしてアクティブ型の商品ばかりです。
正直インデックス投資を信じているブロガーは多いのですが、
「とにかくとにかく低い手数料で、インデックス商品を、コツコツ積み立てて、長期保有する」
ということはまだまだ世の中では一般的ではなく、だからこそ「投資ってなんだかよくわからなくて怖い」
という代物になってしまっているのですね。特に若者はバブル後に生まれた人も多く、「株が大暴落して日本は不景気になった」というイメージが強く、「株=大暴落」というイメージから逃れられない病理が漫然と存在するような気がします。
しかし、そんな中でも投資を辞めないのが高齢者です。あとは「良いところにお勤めの方、引退された方」でしょうか。
彼らはブランド力というものを圧倒的に大切にします。肉でいえばA5ランクがいいのです。A5ランクがいったいどのような肉でどのように美味しく、どのような基準で選ばれたのかはどうでもいいし興味がないのです。とにかくA5ランクだからうまい肉で、高くても買う価値がある、と思っているのですね。情報源は基本的にテレビと新聞のみです。
そして、資産だけはたんまりとあります。日本がまだ景気の良かった時代、何もしなくても(頑張ってはいたと思うが運として)、就職でき、昇進でき、ボーナスと退職金と年金である程度ウハウハな人がマイホームや土地を購入して、親子二代で過ごしていたりします。(イメージ:親80代中盤、子60代前半)
彼らは「資産運用」に熱心です。保険も大好きです。がん保険、生命保険など、無駄な保険を無駄とも思わず払い続けています。もちろん「日本生命」などの大手で、です。
彼らは株を始めるのですが、情報や原理原則、細かなことはよくわからないので、専門家に依頼をします。そうするとブランド力などを考慮し、上記5社(大和証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券)に行くわけです。
そこでは高い手数料のリターンいまいち、アクティブファンドをおススメされ、おすすめされるがままに、早慶の体育会出身のイケメンサラリーマンに騙されるわけです。(言いすぎかw)
三菱国際投信の他のシリーズ
このブログでは低信託報酬の商品ばかり扱うので、eMAXIS Slimシリーズをフィーチャーしていますが、同じ三菱国際投信からは他にも沢山商品が出ています。
そもそもeMAXIS Slimシリーズの前身として「eMAXIS」という商品がありました。というか今もあります。
今回はわかりやすさを出すために先進国株式インデックスの投信で比べてみたいと思います。ちなみにここでは比べませんが、アクティブファンドで高い信託報酬の商品は三菱国際投信にはたくさんあり、例えば「健太」という商品は信託報酬2%越えです。ということは毎年2%ずつ目減りしていくことになります。これで年リターン40%とか驚異的ならまだしも、せいぜい1年で8~9%程度です。
商品名 | 信託報酬(税抜) | 純資産額 |
eMAXIS先進国株式インデックス |
0.6% | 37,511百万円 |
つみたて先進国株式 |
0.2% | 17百万円 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
0.189% | 4,547百万円 |
eMAXISの純資産額が4000億円弱となっております。これは、eMAXIS Slimの10倍近い純資産額となっております。
スリムよりも前に出た商品だからといっても、同じ指標に連動し同じ成果を生み出し、0.4もパーセンテージが異なるので、合理的な選択をすれば、eMAXISからスリムに乗り換えるのが普通です。
情報に電波を張り続け、Slimが圧倒的にお得であると判断した人も中にはいるはずなのに、その純資産額は大きく減っているどころか微増しつづけています。これは、販売会社の違いで
・eMAXIS Slimはネット証券のみでの取り扱い
・eMAXISはほぼすべての証券会社・銀行で取り扱い
となっているのです。また、最近つみたてNISAに向けて作られた「つみたて先進国株式」という商品も、これから信託報酬を下げる気がないこと、また、販売会社が多いことからギリギリ儲けの出る範囲でやっていることがわかります。
そして、おそらくSlimシリーズは本当は売りたくない、ネット証券だから、人件費が出ない分だけお得にできる「載せたくない商品」なんだと思います。
純資産額に10倍の開きがあれば、高い信託報酬で、たとえあまり儲けが出ないスリムでも何かがあった時に補填ができますし、トータルで三菱国際投信さんとしては「儲かる」のだと思います。
まとめ 高い信託報酬を払っている人、ありがとう
最近は信託報酬が下がってきて、0.1%台で「安い!」となり、0.2%台では「まぁ普通」となってしまいました。0.3%では「ちょい高いよね」となり、0.5%を超えると「情報バカが買うありがたい商品」と思うようになってしいまっています。(これはこれで極端です)
しかし、イーマクシススリムのような低い信託報酬を実現させるには、そういった高い信託報酬が売れているお陰なんだと思います。逆に言えば、他にバカ高い商品がないのに、低信託報酬を実現しようとしているSBIのEXE-iは偉いなぁと思いますが。
eMAXIS SlimをつみたてNISA口座で積み立てるならネット証券で
このように、安い信託報酬にはそれなりの裏があるのと、そして、販売会社は今後も恐らくネット証券に限られてくるということです。なので、私のおすすめする低コストインデックス商品を買うためには、まずはネット証券に申し込みをしてください。
まずは資料請求して比較してみてください。
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
では